1ページ講座 理学療法関連認定資格紹介
糖尿病療養指導士について
石黒 友康
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1健康科学大学理学療法学科
pp.526
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101432
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●資格制度成立の経緯と認定趣旨
糖尿病治療の目的は,良好な血糖コントロールを維持することで,合併症の発症と進展を予防し,患者が健常者と変わりない社会生活を送れるようにすることにある.良好な血糖コントロールには,患者自身による食事や運動に対する適切かつ能動的な取り組みが重要であり,糖尿病に対する正確な知識をもち,治療行動を妨げる障壁への対処法を身につけることが必要となる.そのためにはまず医療スタッフによる患者指導や教育が不可欠である.現在,糖尿病患者数は,糖尿病を強く疑われる人が820万人,可能性を否定できない人を加えると1,870万人と報告されている一方で,糖尿病専門医は圧倒的に少なく,糖尿病療養指導へのコメディカルの参加に対する要望が高まっている.糖尿病療養指導士制度の検討は1993年より日本糖尿病学会,日本糖尿病協会でそれぞれ開始され,2000年2月に日本糖尿病学会,日本糖尿病教育・看護学会,日本病態栄養学会が母体となり日本糖尿病療養指導士認定機構が発足した.そして翌年3月第1回認定試験が実施され,4,364人の日本糖尿病療養指導士(certified diabetes educator of Japan:CDEJ)が誕生した.
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