第23回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 教育講演2
高齢者糖尿病と看護:—在宅医療・介護連携と高齢者糖尿病看護における看護職者の役割について
森 加苗愛
1
Kanae Mori
1
1大分県立看護科学大学
1Oita University of Nursing and Health Sciences
pp.78-81
発行日 2019年3月31日
Published Date 2019/3/31
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1.糖尿病をもつ高齢者の現状
わが国の総人口は,1億2,671万人(平成29年10月1日現在)であり,そのうち65歳以上が占める人口は3,515万人で(高齢化率27.7%),その割合は1年前より増加している.高齢化率は今後も上昇傾向にあり,2065年には38.4%に達し,人口の2.6人に1人が65歳以上,3.9人に1人が75歳以上になると推計されている.これは,65歳以上の者1人に対して15〜64歳の者が1.3人となることから,深刻な介護の課題が見えてくる(平成30年版高齢社会白書概要).
このような背景に伴い,当然のごとく介護を必要とする高齢者は増加することが予測される.しかし,身体に問題を抱えて介護が必要であるにもかかわらず,十分な介護サービスを受けることができない所謂『介護難民』は,2025年には約43万人になるといわれ,その多くは首都圏に集中するとされている(日本創成会議).『介護難民』が増加する背景には,高齢者の増加,入所施設や介護職員の不足,核家族化や夫婦共働きによる家庭内介護の困難,介護費用の問題などがあげられる.
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