第16回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●シンポジウム2
男性糖尿病患者と性機能障害
倫理的視点から性機能障害をもつ男性糖尿病患者援助について考える
宮脇 美保子
1
Mihoko Miyawaki
1
1慶應義塾大学
1Keio University
pp.74-75
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
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本シンポジウムの目的は,性機能障害を有する男性糖尿病患者の包括的理解を深め,看護師が性機能障害を有する男性糖尿病患者のより豊な生を支援するための看護援助について,看護倫理の視点を踏まえ検討する機会とするというものであった.ここでは,倫理的視点からこのテーマについて述べる.
人間にとっての性は,よりよい生を生きる上で欠くことのできない重要な要素である.人間の性には,生殖性,快楽性,連帯性といった3つ側面があるが,連帯性は人間と人間の絆を形成することを意味する.生殖性,快楽性,連帯性の何に最も価値をおくかは,人によって異なるが,極めてプライベートな領域であるために,患者は,性に関する問題が生じても公の場のみならず,医療者に対しても相談しにくい状況がある.それは,個人的な性生活に関する問題を医療者に話しても問題外の話題として片付けられるのではないか,あるいは「個人的なことを言われても」と困惑されるのではないかと思ってしまう傾向がある.事実,医師や看護師の関心は低く,積極的に関わろうとしていない現状がある.
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