Japanese
English
【研究報告】
2型糖尿病患者における糖尿病性下腿潰瘍発症と足切断に関与する要因の検討
Examine Primary Factors for the Incidence of the Type 2 Diabetes Foot Ulcer and Amputation
吉川 由利子
1
Yuriko Yoshikawa
1
1総合大雄会病院看護管理室
1Nursing Management Department, Daiyukai General Hospital
キーワード:
危険要因
,
糖尿病性下腿潰瘍
,
下腿切断
,
糖尿病合併症
,
看護介入
Keyword:
危険要因
,
糖尿病性下腿潰瘍
,
下腿切断
,
糖尿病合併症
,
看護介入
pp.16-24
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
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2型糖尿病患者における糖尿病性下腿潰瘍発症と足切断に関与する病態生理的要因と患者の療養上の要因は何かを検証することで,糖尿病性下腿潰瘍発症と足切断予防に向けての看護介入への示唆を得ることを目的とした.2003年5~8月にD病院外来を受診した2型糖尿病患者で,糖尿病性下腿潰瘍を有する患者(1群)と足趾・下腿切断患者(2群)を合わせたケース群と,性,年齢(±5歳)が一致した糖尿病足創傷がない患者(3群)のコントロール群を対象とし,観察項目別に統計学的解析を行った.対象者は70名で,1群は19名(64.9±6.7歳),2群は10名(63.9±6.6歳),3群は41名(63.6±6.6歳)であった.罹病期間は1群15.1年,2群16.9年,3群12.9年で,有意差はみられなかった.糖尿病性神経障害,モノフィラメント反応なし,閉塞性動脈硬化症,糖尿病性腎症,血液透析,糖尿病性網膜症,失明,白内障は,1・2群が3群に比べ,有意に比率が高かった.収縮期血圧は1群が3群より有意に高く,糖尿病性下腿潰瘍発症に関与していたと考えられ,血圧管理の重要性が示された.また,HbA1cは3群が1・2群よりも有意に高く,血糖コントロール以外の神経障害と視力障害,腎障害や閉塞性動脈硬化症が,下腿潰瘍発症と足切断に強く関与すると考えられた.また,1・2群と3群間で有意差のみられた歩行補助具の使用,歩行障害や足変形がある患者,視力障害での生活援助や足のセルフケア行動がみられない患者,糖尿病教育歴がない患者への積極的な看護介入を行い,糖尿病性下腿潰瘍,切断予防に努める必要があると考えられた.
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