第2回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●基調講演
患者から医療者へのメッセージ
籔下 彰治朗
1
Syoujirou Yabusita
1
1元朝日新聞
1Formen Senior Staff Writer of Asahi Shinbun
pp.27-35
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
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ご紹介いただきました籔下です.ずいぶん長い間お世話になった看護婦の方々,栄養士の方々,あるいは介護の方々に,こんな高いところからお話しするのは非常に面はゆい思いがいたします.しかし,あえてこの惨めな姿をさらして皆様の前に出させていただいたのは,こんな人間がこれ以上出てほしくないと思うからです.
私は頭のてっぺんからつま先まで病のデパートです.閉塞性動脈硬化症が全身にありまして,とりわけ脳動脈の硬化が非常に速く進んでおります.また,網膜剥離をやって冷凍癒着手術を受け,それから,新生網膜ができて,これは失明につながるということで,レーザーで焼いてもらったり,それに老人性白内障の進行が速くて,両眼の手術をしました.その次は,胸の冠動脈が全部つまりまして,これは地獄の1丁目のバス停で危うく降りるところでございました.それで,足の大伏在静脈という足首から太股まである静脈ですが,それを取ってバイパスを付け替えました.やれやれと思ったのはつかの間で,今度はその足がやられました.壊疸がどんどん進行しまして,私の判断では膝までくらいの切断で済むんではないかと思っていたんですが,今,両太股23cmずつしかありません.
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