NURSES' VIEW
患者からのメッセージ
梅津 キミ
1
1兵庫県立姫路循環器病センター看護部
pp.265
発行日 1984年3月1日
Published Date 1984/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920717
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ここ数年の間に,まだ若かった姉,そして父母の死に出会い,人一倍病気や死に大きな不安をいだくようになっていた.快食快眠快便があることを神頼みに,腹部に硬い腫瘍を知りながら病気であると認めることを恐れていた.目覚めると体が震えるほどの焦燥と苦悩を感じつつも,看護婦だからと努めて凡庸(ぼんよう)な心を保つことに精いっぱいであった.
初診で悪性の確率があると診断され,4.6年間の人生を思いつつ入院することになった.職場の同僚,先輩,家族に恵まれていた日常生活は,人院ということで激変したがその一方で大きな自由と安らぎが与えられたような気分を味わっていた.
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