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日本看護倫理学会第4回年次大会 シンポジウム
協働的意思決定の実践における看護の役割/協働的意思決定の実践における看護の役割―遺伝子診療外来における活動の実際/協働的意思決定の実践における看護の役割―がん看護の立場から/訪問看護における協働的意思決定
Nurses' role in cooperative decision-making practice
森 一恵
1
,
野口 恭子
1
,
小笹 由香
2,3
,
小山 富美子
4
,
高橋 美保
5
1岩手県立大学看護学部
2東京医科歯科大学 生命倫理研究センター
3東京医科歯科大学医学部附属病院 遺伝子診療外来
4近畿大学医学部附属病院がんセンター
5訪問看護ステーションあゆみ
pp.62-64
発行日 2012年2月25日
Published Date 2012/2/25
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- Abstract 文献概要
意思決定には、患者の権利をどう守るかという倫理的な問題だけでなく、患者への情報提供の内容と方法、意思決定の過程、意思決定後の遵守などそれぞれの段階での問題と、それぞれの段階で多職種が協働して意思決定に関わるときの問題がある。今回、シンポジウムでは遺伝看護、がん看護、在宅看護における意思決定について医療者だけでなく、意思決定に関わる患者・家族も含めた視点で看護が果たす役割と課題についてお話しいただいた。
遺伝看護の立場からは、小笹由香先生より「遺伝子診療外来」立ち上げの経緯と診療部門で看護師が果たす役割と、診療だけでなく、「遺伝」に対する認識、夫婦・家族のあり方についても看護職が調整役割を担う必要性が述べられた。小山富美子先生は、がん看護の立場から、患者が自律して治療を選択できるためには、患者の「より善い決定」を医療者が共有して協働的意思決定を行う必要があること、その橋渡しとして看護師は先ず患者の世界に寄り添うことの意味を考える必要性を強調された。最後に、高橋美保先生より、訪問看護においては医療者が一同に顔を合わせる機会がほとんど無く、協働的意思決定に必要な情報共有のための調整を看護師が担うことがあること、患者を支援する家族の力を評価しながら地域や多職種を巻き込んでいく際に広い視野が必要であることが示唆された。
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