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看護倫理の学会が日本に正式に誕生したのは、2008年6月15日、日本看護倫理学会設立集会の会場(神戸)においてであった。当時、国際看護倫理センター(International Center for Nursing Ethics)のセンター長であったAnne J Davis博士(カリフォルニア大学サンフランシスコ校・長野県看護大学名誉教授)は、看護倫理を標榜する学会は世界を見渡してもほとんどないと、この学会の発足を心から喜んで下さった。2007年秋、ある大きな学会の看護倫理検討委員会の最後の会議が終わり、それぞれが帰り仕度についたとき、誰かが「看護倫理の学会をつくろう」と声を上げた。「マジだよね」と再び席に戻り、その場で全員が本学会設立の発起人になった。その時の熱い思いと絆をバネに、準備の集まりを何度も重ね、「会員をどうやってふやすか」「お金のことは」と思いめぐらす発起人たちを、「Start small and grow(小さく始めなさい、そして成長しなさい)」とアメリカから励まして下さったのもAnne先生である。
「専門職組織が設立されて最初の数年は基礎固めの時であり、会員を増やして財政的・人的資源の基盤を作ること、組織の構成、権限、コミュニケーション等の組織の諸側面を定めること等の組織運営に不可欠な事項に取り組む」(p.34)1。学会のこれまでの3年半は、Fowlerのこの言葉どおりだった。いくつかの委員会ができ、学会員は増え、学会誌も厚くなってきた。ネット上で「日本看護倫理学会」と打つと、年次大会がズラリと並ぶようにもなった。昨年の大会は岩手。3.11の困難を乗り越え、約3か月遅れて大会を成功させた東北の同胞たちは、全国からやってきた参加者に大きな感動を与えてくれた。学会の基礎はこのようにして固まってきた。発起人のひとりとして正直嬉しく、この学会のない職業人生はもう考えられない。
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