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きのう・きょう・あした
服部 一郎
1
1長尾病院
pp.377
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201223
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ごみため
リハビリテーションを行なう病院と労災病院との間には一つの大きな共通点がある。それはさんざんいじくり廻された上,どうにもならなくなつた患者がやつかい払いされて集つてくる点であろう。
このような病院を私は「でも病院」と名づける。つまりこの二つの病院に患者を送る場合はなにかやつかいな患者が発生して,手こずり出した時,窮余の一策として「それは労災病院にでも送るか」という接尾語の下に転送するのが多いからである。つまり労災病院は学術的に高度の医学技術と設備とを駆使して外傷を治す殿堂とは見なされず,たんにやつかいものの処理に都合のよいところぐらいにしか考えられていないフシがある。つまり一種の「ごみため」に過ぎないのである。
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