◆特集 経験を学ぶ—臨床にひそむ落とし穴
精神科領域作業療法の経験から
山下 清次
1
1埼玉県立精神保健総合センター
pp.357-361
発行日 1999年10月5日
Published Date 1999/10/5
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はじめに
精神科領域の作業療法(以下OT)に関わって27年目を迎え,作業療法士(以下OTR)としてよくこんなに続けられたものだと驚いているこの頃です.
さて,その経験の中で何を学び,どのようにOTを集約してきたのか?今少し振り返り整理してみます.
養成校で学んだ知識や技術,出会った人達(先生・先輩・同僚)から得たものも大きいのですが,さらに臨床実践の中で患者さんから学んだことが最も印象に残り,OTを考えるうえでの核になっているようです.それは,まさに失敗体験(患者さんとのやりとりでうまくいかず,ギクシャクする中でボソッと患者さんが本音で話してくれたことが大きなヒントになったからです)から蓄積されたと言っていいでしょう.
ここでは,実践し続けてOTをどのようにイメージしてきたのか?次に,OTを実践する2本の柱〈①対人関係のとり方(OTR自身の)を活用すること,②作業活動を活用する技術を身に付けること〉についての私見を述べることにします.
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