◆特集 経験を学ぶ—臨床にひそむ落とし穴
作業療法って何だろう
吉田 隆幸
1
1九州労災病院
pp.361-365
発行日 1999年10月5日
Published Date 1999/10/5
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はじめに
筆者のこれまでを振り返ると,十分な前知識もないまま養成校へ入学し,30年近くの間ひたすら作業療法そのものをさがし続けてきたようだ.患者さん,今風には利用者との関わりの中で,時には納得し,また時には無力さに苛まれながら今日に至っている.長くこの仕事を続けてきた者がこんな話をすると,若い仲間の皆さんを落胆させてしまうかもしれないが,悟りきった作業療法士に出会うたび,何故か不安な気持ちになる.根源に対して追求する姿勢がなくなった時,淀みが起こりそれ以上の発展は望めなくなるのではないか.少なくとも作業療法の発展が利用者にとって有益であると信じている.
今回のテーマをいただいた時どういう内容にするか苦慮したが,自分の能力ではこれまでたどってきた道のりをまとめる以外にないようだ.少しでも参考になれば幸いである.
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