◆特集 作業療法における行為障害
痴呆に対する作業療法の立場から
来島 修志
1
1日本福祉大学高浜専門学校
pp.193-195
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
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はじめに
『行為障害』とは,「環境に向けられた意志的活動の困難性」と言われている1).私に課せられた仕事は,『行為障害』という切り口で,痴呆に対する作業療法について論ずる,というものである.臨床で痴呆のお年寄りと接していて,作業活動の困難さや,人付き合いのまずさ,言語的コミュニケーション不成立といった問題に対して,その背後にある意味を読みとり,行為に至った情報処理の過程,すなわち認知機能の障害をまず理解するよう心がけている.従ってここでは,痴呆の行為障害の意味を考え,どう対処していったらいいかを,実際の作業療法のアプローチを紹介し,考えてみたいと思う.
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