精神障害者の体力評価Ⅱ

Evaluation of Physical Endurance in Mental Disorders Ⅱ

要旨：在院精神分裂病患者56名に対し，体力(全身持久力)テストを実施した．その結果，テストを途中棄権した10名の内，5名が脈拍の上昇が限界値(160拍/分)を越えたため中止となった．そこで，この5名につき，テスト開始直前の脈拍上昇に注目したところ，その平均が，テストを最後まで遂行した46名の平均より高く，その差が有意であった．このことから，対象患者の一部にテスト不安による，精神的負荷のあったことが推測された．又，薬物の副作用及び性格傾向と，脈拍上昇，テスト不安との関連についても若干の所見を得たので報告する．尚，本著は先行論文の第Ⅱ報である．