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◆特集 精神保健法と作業療法
日本における作業療法士の役割—特に精神医療の領域で
Occupational Therapy in Mental Health: Present and Future in Japan
冨岡 詔子
1
Noriko Tomioka
1
1信州大学医療技術短期大学部 作業療法学科
1Shinshu University, School for Allied Medical Professions
pp.10-19
発行日 1988年3月31日
Published Date 1988/3/31
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はじめに
精神衛生法が22年ぶりに改正され,精神保健法が成立した。1970年代から1980年の前半は,精神病院の閉鎖的な治療構造を象徴するものとしての作業療法批判,病院の開放化と地域実践の模索,点数化にともなうデイケアや作業療法の公的な認知,小規模作業所の誕生1),など精神医療全体の混乱と再建の時代であったとも思われる。こうした積み重ねの上に成立した精神保健法は,作業療法が病院から社会への志向性をもつことを,以前にも増して必要とする時代の幕開けを象徴するものであろう。
精神医療における作業療法士(以下,OTと略す)の役割を思索してみることは,いま,臨床家や教育者にとって特に必要とされていることかもしれない。本論では,精神科OTの役割を論じた内外の論文を簡単に紹介しながら,私見をまじえて考察してみた。
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