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はじめに
国際協力事業団・青年海外協力隊事務局から作業療法士派遣の協力依頼があったのは昭和50年5月であった。以後12年に及ぶ協力が続いてきたし,これからも期待されている。当時の協会長は鈴木明子氏(現札幌医科大学衛生短期大学部教授)であった。協会長はこの事を作業療法士の国際協力の良き機会ととらえ,理事会での承認をとりつけ,第9回日本作業療法士学会(東京都,矢谷令子学会長)時に協力隊事務局の人にきてもらって宣伝活動を行ってもらった。作業療法士協会としては,以後今日にいたるまで技術専門委員(昭和54年5月まで鈴木明子,昭和54年6月〜現在まで寺山久美子)として,作業療法士隊員の派遣選抜の筆記・口頭試験の任を担い協力してきている。
我が国の経済的繁栄に伴い,いろいろな分野での国際協力,国際化が叫ばれて久しい。協力隊関係者から伺った話では,“わが国の数ある国際協力・援助事業で,真に評判が良く,役立っているのは青年海外協力隊位だろう”とか。それ程ではないにしても,ともするとお金をかけて援助した割には現地のニーズに合わない事業は多いらしい。そんな中で“日本の青年もなかなかやるなあー”と掛け値なしに感心されているのが本事業である。当初あまり応募者がなく,他の類似職種で仕方なく埋められてきた作業療法部門も,年々希望者が少しずつではあるが増加してきているのは喜ばしい。評判も上々である。先だっての面接でお会いしたOTの応募者には驚いた。"隊員になって奉仕したい為にリハビリテーション学院に入り,OTの資格をとった。何故なら,OTならすぐ派遣してもらえそうだから"というのである。遠大な計画ではないか!
今回,12年にわたり協力してきた本事業について会員の皆様に知っていただき,今後共若いOT諸氏に志願者が増えることを願って,以下,本事業の紹介,OTのかかわり,今後の課題等を概述してみたい。
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