◆特集 作業療法の守備範囲
作業療法を考える
山田 孝
1
1北海道大学医療技術短期大学部
pp.20-28
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
「作業療法の守備範囲〜その法的限界」というテーマの原稿を依頼されたが,筆者は法律には素人で,その能力もない。従って,本論では法律論からはずれ,作業療法という専門職が自らの「守備範囲」を規定し直そうとすることの意味を,最近の日本作業療法学会のシンポジウムなどでの作業療法士以外の職種の方々の様々の意見と関連づけて論じることにしたい。こうした作業療法の定義や機能に関する新たな動向については専門職の歴史が日本よりも長いアメリカで既に体験されているので,文献を通してのアメリカの体験を学びつつ,こうした動向の意味を明確にすることが我が国の作業療法の守備範囲を考える上で役に立つと思われる。
従って,本論の主題を(1)自らが作業療法の守備範囲を見直そうということの意味,(2)作業療法以外の専門職が作業療法に求めていることの意味,(3)こうした新たな動きの収斂するであろう方向の3点について,アメリカの作業療法士たちの体験を基に再整理し,最後に作業療法の守備範囲に触れることにする。
Copyright © 1987, Japanese Association of Occupational Therapists. All rights reserved.