提言
作業療法士の職域を考える
高森 聖人
1
Masato Takamori
1
1一般社団法人 虹色
pp.326-327
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202461
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●作業療法は「治療」なのか,作業療法士は「医療職」なのか
医療機関を離れて約9年,近年抱いている素朴な疑問は,「作業療法は『治療』なのか,作業療法士は『医療職』なのか」ということである.あらかじめ断っておくが,作業療法の治療的効果や作業療法士による医学的アプローチを否定しようという意図はない.
日本語の「作業療法」は,文字通りに読み取れば“作業を用いた治療法”ということになるのだろうが,そもそも治療とは,病気やけがを治すことであり,病気を治癒させたり,症状を軽快させるための行為のことである.日本の法律上は,医師が患者の症状に対して行う行為を指して「治療」といい,医師以外の者が患者の症状を快癒させても「治療した」とは認められないらしい.
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