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特集 理学療法・作業療法と隣接学際領域
心理学と作業療法との接点
Point of Contact between Psycology and Occupational Therapy
山田 孝
1
Takashi YAMADA
1
1北海道大学医療技術短期大学部
1Department of Occupational Therapy, School of Medical Technology, Hokkaido University.
pp.27-29
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103944
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Ⅰ.心理学における目的と方法
心理学とは人間の行動に関する科学であると言われる.ここで言う行動とは目に見えるもの(overt)も目に見えない(covert)も含まれる.しかし,われわれは目に見える行動しか知りえない.この目に見える行動を調査することによって,その行動の背後にある目に見えない行動を探るのであり,また人間行動の一般的な原則を導き出そうとするのが心理学の目的である.心理学が行動の科学であるというのはこの目的による.
ところで,人間を研究する学問と言えば19世紀末までは哲学の独壇場であった.人間とは何かという疑問に応える人は哲学者と呼ばれた.哲学においては,人間とは何かを考え,人間を観念的に規定する.その方法は哲学者自身を含む個々の事例の検討によって,人間に関する一般的法則を導き出す帰納法であり,哲学者の個人的,直感的な能力が大きく支配する.
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