◆研究と報告
片麻痺の人物画分析—分析方法・信頼性・恒常性の検討,そして半側無視・知能低下・構成失行との関係
金子 翼
1
,
山本 貴代
2
,
内山 正視
2
1神戸大学医療技術短期大学部
2市立加西病院
pp.26-31
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
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はじめに
片麻痺患者の知的・情緒的な問題や認知・構成能力等を大まかに把握する手段の一つとして,人物画を描画させ,それを分析することは日常の臨床でしばしば行われており,過去いくつかの報告がみられる1)2)3)4)5)6)。
しかし,描かれた人物画のどこにポイントを置いて観察し,それをどのように解釈するか,ということについては評価者の知識や経験によって相当異っているのが現状である。
そこで今回の研究では,片麻痺72名(右片麻痺—以下Rt.と略す—46名,左片麻痺—以下Lt.と略す—26名,男43名・女29名,平均年齢59.6±7.2才)の人物画を材料に,分析方法・検者間信頼性・再検査信頼性・恒常性等について検討し,また人物画と半側無視・知能低下・構成失行との関係について,いくつかの暫定的な知見が得られたので報告する。
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