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Secondary Publication
二次出版:外傷性頚髄損傷の嚥下障害合併と頚椎前方軟部組織厚増大の関連
Association between Prevertebral Soft Tissue Thickening and Dysphagia in Cases of Traumatic Cervical Spinal Cord Injury
三石 敬之
1,2
,
石原 禎人
3
1社会医療法人緑泉会米盛病院リハビリテーション科
2社会福祉法人恩賜財団済生会支部福岡県済生会飯塚嘉穂病院リハビリテーション科
3社会医療法人緑泉会米盛病院リハビリテーション課
キーワード:
嚥下障害
,
頚椎前方軟部組織損傷
,
外傷性頚髄損傷
Keyword:
嚥下障害
,
頚椎前方軟部組織損傷
,
外傷性頚髄損傷
pp.1266-1274
発行日 2022年12月18日
Published Date 2022/12/18
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
要旨
目的:本研究の目的は,頚椎前方軟部組織(prevertebral soft tissue:PVST)肥厚が嚥下障害のリスクを高めるかを明らかにし,どの椎体レベルのPVST肥厚計測が有用かを確認し,さらに,そのカットオフ値を決定することである.
方法:対象は頚髄損傷の専門診療を行う単一施設において43カ月間に治療を受けた外傷性頚髄損傷の患者である.除外基準は,頚椎前方手術,外傷性脳損傷合併,椎骨動脈損傷合併,脳血管障害の既往,神経変性疾患の合併,受傷後30日目の気管内挿管,受傷後24時間以内の神経症状消失,ハローベスト使用とした.受傷日のCTにおけるC1,C2,C3,C6,C7前方のPVST厚と,外傷性頚髄損傷受傷後30日および60日の嚥下障害の有無(Food Intake LEVEL Scaleスコア<8)との関連をROC曲線で解析し,最も大きいAUCとなる椎体高位を同定し,さらにPVST厚のカットオフ値を算出した.PVST厚を含むさまざまな危険因子と発症後30日目および60日目の嚥下障害との関連を単変量解析および多変量解析で検討した.
結果:対象は受傷後30日で80名,受傷後60日で79名となった.C3高位のPVST厚増加(受傷後30日:≧8.3mm,受傷後60日:≧9.4mm)と気管切開に,嚥下障害との独立した関連が認められた.
結論:PVST厚増加は嚥下障害の独立した危険因子であることが示された.受傷時のPVSTを計測することにより,急性期でも嚥下障害の重症度を推定することが可能であると考えた.
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