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教育講座
外傷性頚髄損傷における摂食嚥下障害と呼吸障害—病態から考える治療のCutting Edge
Dysphagia and Respiratory Dysfunction in Patients with Traumatic Cervical Spinal Cord Injury : Cutting Edge of the Treatment Considering from Pathophysiology
林 哲生
1
,
藤原 勇一
2
Tetsuo Hayashi
1
,
Yuichi Fujiwara
2
1福島県立医科大学リハビリテーション医学講座
2総合せき損センター看護部
キーワード:
頚髄損傷
,
嚥下障害
,
呼吸障害
,
麻痺
,
誤嚥性肺炎
Keyword:
頚髄損傷
,
嚥下障害
,
呼吸障害
,
麻痺
,
誤嚥性肺炎
pp.983-989
発行日 2024年10月18日
Published Date 2024/10/18
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はじめに
頚髄損傷は,全身に広範な影響を及ぼす重篤な疾患であり,その合併症の管理は患者の生命予後と生活の質に直結する.特に,頚髄損傷における主要な死因の1つが肺炎1)であり,これはしばしば嚥下障害や呼吸障害に起因する.嚥下障害は,唾液や水分・食物の誤嚥リスクを増加させ,これが誤嚥性肺炎をもたらし肺炎のリスクを高める.また,呼吸障害は低換気や無気肺を引き起こし,これもまた肺炎の発生リスクを高める.嚥下障害と呼吸障害は,特に急性期から亜急性期にかけて問題となることが多いが2),これらの障害の早期発見と適切な治療が重要である.
本稿では,頚髄損傷に伴う嚥下障害と呼吸障害の病態メカニズムについて詳細に解説し,病態に基づいた最新の治療法について考察する.

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