Japanese
English
論述
頚髄症に対する頚椎前方固定術後の頚椎アライメントと頚部不定愁訴
Cervical Alignment and Indefinite Complaints after Anterior Spinal Fusion for Cervical Myelopathy
川上 守
1
,
玉置 哲也
1
,
吉田 宗人
1
,
林 信宏
1
,
安藤 宗治
1
,
山田 宏
1
,
橋爪 洋
1
Mamoru Kawakami
1
1和歌山県立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Wakayama Medical college
キーワード:
頚椎前方固定術
,
cervical anterior spinal fusion
,
アライメント
,
alignment
,
不定愁訴
,
indefinite complaints
Keyword:
頚椎前方固定術
,
cervical anterior spinal fusion
,
アライメント
,
alignment
,
不定愁訴
,
indefinite complaints
pp.1383-1389
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901787
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抄録:頚髄症に対する前方固定術症例60例を用いて,①頚椎前方固定術は術直後の頚椎アライメントを保持し得るか,②術後の頚部不定愁訴がどの程度の患者にみられるか,③頚部不定愁訴発現に影響を及ぼす因子は何か,④さらに不定愁訴発現の予防が手術的に可能かどうか,を検討した.頚椎前方固定術は術直後前方椎間腔の拡大を引き起こすが,調査時には前方,後方椎間腔,椎間孔の拡大は得られていなかった.肩こり,頚部痛,頚部違和感,頚部のだるさ,肩部痛などの術後頚部不定愁訴は23例,38.3%に認められた.術後不定愁訴の発現には固定隣接椎間障害や脊髄症の改善程度は無関係であった.術後不定愁訴の発現した症例では手術椎間の局所後弯,椎間孔の狭小化が有意に認められた.術直後2~5mmまでの前方椎間腔拡大を得ることで良好なアライメントの獲得と不定愁訴発現の予防を期待し得る可能性がある.
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