巻頭言
整形外科とリハビリテーション科は運動器を守る専門科(家)である
重松 英樹
1
1奈良県立医科大学整形外科
pp.986
発行日 2022年10月18日
Published Date 2022/10/18
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- 文献概要
私は2000年に奈良県立医科大学を卒業し,普段は脊椎外科医として手術を行い,急性期のリハビリテーション治療にも関与する,二足の草鞋を履いた運動器を守る専門家である.
運動器の概念として,ロコモティブシンドローム(ロコモ)はご存知だろうか? 2007年に日本整形外科学会から提唱され,具体的には運動器の障害により移動機能が低下した状態を指す.ロコモの放置は,ロコモ度の悪化から将来要介護になるリスクが高いとされる.脊椎疾患では,神経症状から下肢痛・しびれを生じ,そのために移動機能が低下し,ロコモに該当する症例を多く目にする.興味深いことに,ロコモが提唱された2007年は日本が総人口に対する65歳以上の占める割合(高齢化率)が21%を超え,超高齢社会になった年でもある.
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