Japanese
English
教育講座
末梢磁気刺激とその臨床応用
Peripheral Magnetic Stimulation and Its Clinical Application
加賀谷 斉
1
Hitoshi Kagaya
1
1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
キーワード:
末梢磁気刺激
,
コイル
,
舌骨上筋群
,
脳卒中
,
筋力増強
Keyword:
末梢磁気刺激
,
コイル
,
舌骨上筋群
,
脳卒中
,
筋力増強
pp.68-73
発行日 2022年1月18日
Published Date 2022/1/18
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
末梢神経に対する磁気刺激の応用は1980年代から始まった1, 2).末梢に対する生体刺激としては当時から電気刺激が頻用されていたが,表面電極を用いた電気刺激の場合は皮膚という抵抗の大きな臓器を介するために刺激時に生じる疼痛を常に考慮する必要がある.一方,磁気刺激は刺激に用いるコイルから強力なパルス状の磁場を瞬間的に派生させ,電磁誘導により生体内に渦電流を誘導し,神経や筋肉の細胞膜に脱分極を生じさせる3).磁気刺激は皮膚の侵害受容器を直接刺激しないために電気刺激に比して疼痛が少なく4),刺激に用いるコイルは皮膚に接触させる必要がないことから衣服の上から刺激可能であり,特に,体幹や四肢の近位を刺激する場合に使いやすいという利点がある.また,磁気刺激は表在の痛覚神経を興奮させることなく深部の運動神経と固有感覚神経を興奮させる5, 6).一方,磁気刺激にはコイルを含む機器が大きく重いという弱点があり,さらにコイルの発熱対策が必要なために長時間の連続刺激は一般的に困難である.本稿では,末梢磁気刺激とその臨床応用について述べる.
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