連載 リハビリテーション医学研究のこれから
運動療法を用いた骨粗鬆症治療および予防に関する基礎研究
坪内 優太
1
,
池田 真一
1
1大分大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.75-77
発行日 2021年1月18日
Published Date 2021/1/18
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超高齢社会の本邦において,骨粗鬆症は高齢者のADLを低下させ,さらには生命予後にも影響を与える重要な課題の1つである1).40歳以上における骨粗鬆症の推定患者数は腰椎で640万人,大腿骨近位部で1,070万人とされており,その対策は急務である2).骨粗鬆症治療の主は薬物療法であるが,骨粗鬆症性骨折を契機に開始されることが多く,また,そのアドヒアランスも決して高いとはいえない3, 4).一方,運動療法や栄養療法は早期に取り入れることが可能であり,また,予防的介入としても活用しやすい.継続率を維持することが困難という点では薬物療法と重なるが,サルコペニアや転倒・骨折予防の観点からも,早期から積極的に導入されるべきである.
そこで,当部では大分大学福祉健康科学部の片岡晶志教授の指導の下,運動療法や栄養療法が骨代謝に与える効果についての基礎研究を行っている.本稿では,近年注力している骨粗鬆症治療および予防に関する研究の一部を紹介する.
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