Japanese
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教育講座
脳性麻痺の生涯を通じての療育—二次障害を中心に
Medical Treatment and Education throughout Life of Cerebral Palsy
志村 司
1
Tsukasa Shimura
1
1広島県立障害者リハビリテーションセンター
キーワード:
脳性麻痺
,
療育
,
二次障害
,
脳性麻痺成人外来
,
包括的医療
Keyword:
脳性麻痺
,
療育
,
二次障害
,
脳性麻痺成人外来
,
包括的医療
pp.72-78
発行日 2020年1月17日
Published Date 2020/1/17
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
脳性麻痺は比較的早期から運動機能の低下,筋緊張の変化,不随意運動の増加などが生じ,それに伴いADLが低下してくるとされる.また,近年は高齢化が問題となってきているが,脳性麻痺者に関しても同様である.以前より二次障害に関する文献は散見され問題提示されてきたが,医療的・社会的にもなかなか浸透しにくく,また2000年以降さまざまな治療法も確立されたため,以前とは異なった二次的障害が生じている.
加えて,両親の高齢化により受診・訓練のみならず在宅介護なども難しく,すぐに入所可能な施設もなく,また障害者を管理できる在宅医療も少ない.また,両親自身の介護も大きな問題として表面化してきている.このような各年齢層の患者とのかかわりを積み重ねていくことや,早期よりかかわりを続け治療を行ってきたことによる変化などから,医療的な脳性麻痺の老化現象の傾向などは若干わかってきた部分もある.しかし,社会全体の問題としてはまだまだ啓発されていないため,二次障害の現状を医療界全体に知っていただき,小児期より考えていく必要がある.
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