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入門講座 最近の臨床神経生理学・3
中枢神経における診断・評価—脳卒中後運動麻痺の可塑性評価
Evaluation of neural plasticity after motor stroke
竹内 直行
1
Naoyuki Takeuchi
1
1東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野
1Department of Rehabilitation Medicine, Graduate School Medicine, Tohoku University
キーワード:
脳卒中
,
経頭蓋磁気刺激
,
神経可塑性
,
回復
Keyword:
脳卒中
,
経頭蓋磁気刺激
,
神経可塑性
,
回復
pp.639-645
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200295
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はじめに
現在,神経生理学および機能画像などさまざまなアプローチから,脳卒中後運動麻痺の可塑性メカニズムが解明され始めている.そのなかでも経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation;TMS)は中枢神経を安全に刺激できることから,中枢神経機能評価法として開発されその後急速に普及した.TMSは頭蓋上においたコイルに高電流高電圧を流すことによって磁束を発生させ,頭蓋骨に平行な大脳の良導体部分に渦電流を引き起こす.これにより皮質脊髄ニューロンが大脳介在ニューロンを介し経シナプス的に興奮,または強い刺激強度で直接的に興奮することによって筋発射が起こると考えられている(図1).本稿では,中枢神経系を神経生理学的に評価できるTMSを用いた脳卒中後の可塑性評価を中心に記述する.
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