Japanese
English
連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望――臨床への展開・Vol.20
心不全に対する再生医療の現状と展望
Regenerative therapy for heart failure
宮川 繁
1
Shigeru MIYAGAWA
1
1大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科
キーワード:
細胞
,
細胞シート
,
筋芽細胞
,
iPS細胞
,
心不全
Keyword:
細胞
,
細胞シート
,
筋芽細胞
,
iPS細胞
,
心不全
pp.696-700
発行日 2025年5月24日
Published Date 2025/5/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293080696
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SUMMARY
重症心不全治療として最も重要な治療法である心臓移植は,ドナー不足が極めて深刻であり,新しい移植法案が可決されたものの,欧米レベルの汎用性の高い治療法としての普及は困難と予想される.一方,左室補助人工心臓(LVAD)については,日本では移植待機期間が長期であるため,感染症や脳血栓等の合併症が成績に大きく影響している.このような状況を克服するため,世界的に再生医療への期待が高まっており,心臓移植やLVADに代わる新しい治療の開発が急務である.
このような現状のなか,重症心不全においては,細胞移植,組織移植,また再生医療的手法を用いた再生創薬の研究が進み,臨床応用化が進んでいる.本稿では,これまでの筋芽細胞シートのトランスレーショナルリサーチとともに,iPS細胞由来心筋細胞シートを用いた心不全治療の試みを紹介し,再生医療技術を用いた新しい心不全治療を概説する.

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