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教育講座
小児の股関節・下肢装具の適応と実際
Indications and Practical Applications of the Braces for Hip and Lower Extremity Disorders in Children
大塚 隆信
1
,
和田 郁雄
2
,
佐久間 英輔
3
,
青山 公紀
2
,
杉本 友宏
4
,
万歳 登茂子
5
Takanobu Otsuka
1
,
Ikuo Wada
2
,
Eisuke Sakuma
3
,
Kiminori Aoyama
2
,
Tomohiro Sugimoto
4
,
Tomoko Manzai
5
1名古屋市立大学大学院整形外科学
2名古屋市立大学大学院リハビリテーション医学
3名古屋市立大学大学院統合解剖学
4杏嶺会尾西記念病院リハビリテーション科
5仁寿会サニーサイドホスピタルリハビリテーション科
キーワード:
小児骨格
,
股関節障害
,
足部変形
,
装具
,
足底挿板
Keyword:
小児骨格
,
股関節障害
,
足部変形
,
装具
,
足底挿板
pp.781-787
発行日 2017年10月18日
Published Date 2017/10/18
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- 参考文献 Reference
はじめに
小児期の骨格では,骨膜性あるいは内軟骨骨化,さらには骨幹端部に生ずるモデリング(modeling)などを基盤とした形態変化が生じ,これが骨格の成長や自家矯正の要素となる.小児期の骨格は,成長というダイナミズムや骨格周囲の環境(応力など)に大きく影響を受けるという成人にみられない特徴を有する.
小児期に生ずる股関節や下肢の疾患,障害では,疾患自体あるいは骨格に加わる応力によって形態異常をきたすことが多い.こうした小児骨格の特徴から,小児期の整形外科疾患や障害に対しては,治療の第一選択は保存療法,特に装具治療にあることが少なくない.
治療用装具の適応となる小児期股関節・下肢の骨格異常としては,股関節疾患や障害(先天性股関節脱臼,ペルテス病,壊死性疾患,股関節亜脱臼障害など),膝関節の疾患や障害および下腿変形(膝関節脱臼,膝関節不安定性,膝関節および下腿変形など),足関節,足部の疾患や障害,変形(先天性,発育性あるいは麻痺性の足部変形,胼胝や潰瘍,有痛性足部疾患,他),形成異常による変形や低形成,下肢長管骨骨折などが挙げられる(表1).本稿では,小児期の股関節,下肢の疾患や障害をいくつか挙げ,その装具治療について述べる.
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