巻頭言
医療と介護の両面を見据えたリハビリテーション医に期待
石川 誠
1,2
1日本リハビリテーション医学会
2医療法人社団輝生会
pp.426
発行日 2016年6月18日
Published Date 2016/6/18
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- 文献概要
超高齢社会に向かう日本の社会保障給付費は2014年度に115兆円となり,2025年度には149兆円に達し,医療と介護に要する費用は2014年度の40兆円+10兆円=50兆円が2025年度では54兆円+20兆円=74兆円に増加し,社会保障給付費の約50%を占めることになると予想されている.急増する医療・介護の費用負担に対して,政府も国民も耐えられるのか不安になるのは当然である.財源を保険料・消費税の増加に求めても限界があり,医療・介護提供体制の改革・効率化が必須となるのである.こうした経緯で2014年6月に成立した医療介護総合確保推進法は医療・介護に関係する19の法律を一括改正したものであるが,その要は医療と介護の一体的改革にある.地域医療構想と地域包括ケアシステムを密接に関係づけて改革を推進し,しかも要介護者などに対し単なるお世話から自立支援へとサービス内容の変革も迫ったものである.
小生はこれらの改革の核はリハビリテーション医療にあると考えている.なぜならリハビリテーション医療は医療と介護の両面から介入でき,自立支援をスローガンとしているからである.
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