Japanese
English
特集 脳血管性障害・III
くも膜下出血
The Subarachnoid Hemorrage
上田 英雄
1
,
後藤 平
1
,
山田 章之
1
,
伊藤 清
1
1東大上田内科
pp.746-751
発行日 1961年12月25日
Published Date 1961/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903951
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I.はしがき
近年我国では,感染症による死亡率の低下に伴いそれに代つて中枢神経系の血管損傷がとくに重視される様に成つたが,その中でもくも膜下出血はその症状・治療・予後の上で特殊な地位を占めるため,その診断を確実にすることは臨床上きわめて重要である。統計によれば,くも膜下出血は中枢神経系血管障害死因の2〜4%(本邦2.2%米2.4%,英4.0%)1)臨床例ではその8%2)をしめ,剖検例では3)脳出血82例に対しくも膜下出血は47例であつたという。
くも膜下腔の出血は,臨床的には一つの症候群であり種々の原因により起り得,大別して次のごとくなる。
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