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千葉県の高齢化とリハ資源の現状
千葉県の人口は2011年4月現在で約623万人,高齢化率は20.8%である.県内には9つの二次保健医療圏がある(図1)東京に隣接する東葛北,東葛南の各圏域はそれぞれ100万人を大きく超える人口を抱え,両圏域合わせて面積は県の12%に満たないものの,県民の49%が居住する地域である.この地域は高齢化率が比較的低いが,東京に通勤していた団塊の世代が大勢居住しているために,今後の高齢化が急速に進む地域である.千葉圏域は県内唯一の政令指定都市で県庁所在地でもある千葉市単独の圏域,市原圏域も市原市単独の圏域である.印旛圏域は成田空港や新興の住宅地を抱えて人口増加傾向にあり高齢化率が比較的低い.房総半島を取り巻くように存在する君津,安房,山武長生夷隅,香取海匝(かいそう)の各圏域は,人口密度も比較的低く高齢化率が高い地域である.このように,一口に千葉県といっても,東京に近い北西部とそれ以外の地域では人口構成や保健医療の抱える問題点が大きく異なっている.ちなみに都道府県別の高齢者人口増加率の観点からみると,2005年から2025年の20年間における予測増加率は,第1位埼玉県(73.3%),第2位千葉県(68.1%),第3位神奈川県(63.9%)であり,東京を囲む3県がトップを占める.
一方,医療供給の観点からみると,千葉県は人口対の医師数が全国45位,看護師数46位,一般病床数46位と軒並み低水準にある.この要因としては,今までの人口構成が若かったこと,東京に勤務している方が多いための県外受診者が多かったこと,そして人口急増を背景とした供給整備の遅れ,などが挙げられている.またリハビリテーション(以下,リハ)医療関連では,回復期リハ病床数は人口10万対で2010年1月現在では約27床と,全国回復期リハ病棟連絡協議会が提唱する10万人対50床を大きく下回り全国第45位である.さらには療養等施設定員についても65歳以上(千人あたり)の定員(試算による)は,療養病床41位,介護老人保健施設37位,特別養護老人ホーム47位,認知症グループホームが32位という状態である.
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