技術講座 微生物
Clostridium botulinumを知る
木部 泰志
1
,
清祐 麻紀子
1
1九州大学病院検査部
pp.744-749
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206897
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Point
●ボツリヌス症には食餌性ボツリヌス症,創傷ボツリヌス症,乳児ボツリヌス症,成人腸管定着ボツリヌス症があり,それぞれの診断に適した検体採取が必要である.
●C. botulinumの分離には嫌気培養が必要で,卵黄を含む培地を用いてリパーゼ反応を指標にして釣菌するとよい.便検体ではエタノール処理も有効である.
●最終的な菌種確定と診断には毒素産生の証明と毒素型の決定が必要であるが,自施設では困難な場合が多い.
●二種病原体であるため取り扱いに注意を要する.分離同定時,所持,運搬に際して届け出が必須である.
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