今月の主題 腎不全
総説
Uremic toxin
中尾 俊之
1
,
宮原 正
1
Toshiyuki NAKAO
1
,
Tadashi MIYAHARA
1
1東京慈恵会医科大学第2内科
pp.753-761
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911913
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はじめに
尿毒症患者の体内に蓄積ないし代謝障害の結果産生される物質について古くから地道な検討が行われていたが,1975年,International Congressof Nephrologyで"uremic toxicity"のシンポジウムが行われ,同じころ,わが国の腎臓学会総会のシンポジウムでも初めて"uremic toxin"が取り上げられた.このシンポジウムの司会者の上田教授は司会のことばに,uremic toxinの意義の将来はなお不明確であると述べておられる.
その後,この方面の研究は爆発的に進められuremic toxinの基礎的事項,臨床症状との関連性あるいは測定方法などについてみるべき業績が報告されているが,なお不明瞭な点も多く,特に臨床への利用という点では測定方法の煩雑なこともあって不満足な状態にある.
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