第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《先端シンポジウム》宇宙からみたリハビリテーション医学―座長/里宇 明元・大島 博
宇宙環境で有効な骨格筋維持装置開発の研究―ハイブリッドトレーニング法によるWearable deviceの開発研究―
志波 直人
1
,
松瀬 博夫
1
,
吉光 一浩
1
,
田川 善彦
2
1久留米大学リハビリテーションセンター
2九州工業大学大学院工学研究科
pp.758-763
発行日 2009年12月18日
Published Date 2009/12/18
- 販売していません
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
宇宙の無重力環境では,筋骨格系は重力による力学的負荷が減少して著しく萎縮するため,その予防は宇宙医学の重要課題と位置付けられている.一方,入院臥床(ベッドレスト)で同様に起こる筋骨格系萎縮への対応は,リハビリテーション(以下,リハ)医学においても早期社会復帰の重要な課題である.骨格筋廃用萎縮対策として,従来とは逆の発想で,運動時に動作を妨げる拮抗筋を電気刺激して得られる筋収縮を運動抵抗とする訓練方法を考案,電気刺激と自発筋収縮の混合運動,ハイブリッド訓練法とした(図1)1~5).本法は,重力に代わり,電気刺激による筋力を運動抵抗として体内で発生させる.装置は簡便で大がかりな機器は不要である.既存の電気刺激法では使用者の意思とは無関係に電気刺激されるのに対し,本法では使用者の意思で運動したときに拮抗筋が電気刺激され,運動抵抗となる点が異なる.
本研究では,ハイブリッド訓練の効果を検証するとともに,宇宙飛行士用装置を作製し,臨床医学と宇宙医学の同時進行と,相互フィードバックを目指し行われた.
Copyright © 2009, The Japanese Association of Rehabilitation Medicine. All rights reserved.