第44回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/神戸 《パネルディスカッション》廃用症候群のリハビリテーションの実学―座長/江藤 文夫・山口 淳
泌尿器科的問題に対する対応
石塚 修
1
,
西澤 理
1
1信州大学泌尿器科
pp.422-426
発行日 2008年7月18日
Published Date 2008/7/18
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はじめに
廃用症候群において問題となる泌尿器科的問題としては,排出障害(尿が出にくい)および蓄尿障害(頻尿・尿失禁),尿路感染症,尿路結石症などである.
具体的な症例を示すと,図1の症例は,多系統萎縮症のため,尿道留置カテーテルによる管理を受けていた症例である.訪問看護師がカテーテルの交換を行っていたが,カテーテルのバルーンがよく割れるために,原因精査目的で,初めて泌尿器科に紹介された症例である.腹部の単純写真であるが,腎杯,腎盂,尿管,膀胱に無数の結石を認め,この症例の治療は難渋を極めた.図2の症例は,脊髄損傷による排尿障害に対して,過去には自己導尿,尿道留置カテーテルなどの尿路管理を受けていたが,転居とともに管理を受けなくなり,多数の膀胱結石および尿路感染を起こした症例である.
これらの症例の問題としては,①尿道留置カテーテル,オムツなどによる尿路管理がよい管理方法であったか.②また,経過観察は十分であったかの点にあるように思われる.
尿路結石,尿路感染が生じる原因は,尿路管理がうまくいっていないために起こる現象である.この項では,実学という観点より,尿路管理の具体的な考え方について概説する.
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