Japanese
English
特集 身体障害者と高齢化
泌尿器科的問題
Urinary Disturbance in the Elderly
中嶋 千聰
1
,
安田 耕作
1
Chiaki Nakajima
1
,
Kosaku Yasuda
1
1獨協医科大学越谷病院泌尿器科
1Department of Urology, Koshigaya Hospital, Dokkyo University School of Medicine
キーワード:
排尿困難
,
前立腺肥大症
,
腹圧性尿失禁
,
高齢者排尿障害
Keyword:
排尿困難
,
前立腺肥大症
,
腹圧性尿失禁
,
高齢者排尿障害
pp.115-121
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109416
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はじめに
排尿障害には,大きくわけて排尿困難を示す排出障害と尿失禁のような蓄尿障害がある.高齢化するとこれらの排尿障害が種々の理由で増加する1).これまでわが国では,高齢者の排尿障害は加齢に伴う自然な老化現象として納得されてきた.しかし,昨今の急速な高齢化社会の進行で排尿障害が大きな社会問題として注目されてきている.主として高齢者の排尿障害をテーマとした研究会も各地で開催されているようである.また,最近いくつかの新しい治療薬および治療機器が臨床に導入されている2-4).このような環境の変化は,高齢者排尿障害が老化現象ではなく,治療により確実に改善し,quality of lifeの向上を目指すことが約束できるものであるとの概念を社会に植えつけている.
当院でも高齢者排尿障害の受診率が増加していることはまちがいない.以前は排出障害である前立腺肥大症,前立腺癌や膀胱頸部硬化症が多かったが,最近では尿失禁のような蓄尿障害が占める割合が多くなっている.
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