増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
9 腫瘍
抗がん剤の副作用対策
泌尿器癌に対する漢方療法
皆川 倫範
1
,
小川 輝之
1
,
石塚 修
1
1信州大学医学部泌尿器科学教室
pp.208-210
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205641
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治療方針 薬物療法の概要と狙い
抗がん剤治療ではさまざまな有害事象が発現する.代表ともいえるのは骨髄抑制,悪心・嘔吐であるが,実際には,食欲不振,全身倦怠感,しびれ・脱力などの末梢神経障害など多彩である.多彩な症状や問題点に対して,すべて西洋薬で対応可能というわけではなく,時に漢方薬が有効な場面がある.
元来,漢方薬は症状に対して処方され,診断に対して処方される西洋薬とストラテジーが異なる.全身倦怠感などの診断しがたい状態においては,症状から処方のできる漢方薬が効果を発揮する.末梢神経症状などの頻度の高い副作用に対しても,西洋薬で高いエビデンスのある対応薬がない場合も,漢方薬は効果的な場面がある.
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