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本年も,最終号をお届けする季節が巡ってきました.この1年,様々な学会に参加させていただき,最新の研究動向を知るとともに大いに触発されました.中でも,本年9月17〜19日に国際医療福祉大学成田キャンパスで開催された10th Biennial Asia Pacific Conference on Speech, Language and Hearing:APCSLH(第10回アジア環太平洋音声言語聴覚学会学術大会)は非常に有意義で印象深い学会でした.この学会は環太平洋諸国およびアジア諸国の言語聴覚士が構成する学会で,言語聴覚障害学の研究の発展を図り,知識の交流を進めることを目的としています.今回は,日本が開催国となり,大会長は国際医療福祉大学の城間将江教授,会長は聖隷クリストファー大学の柴本勇教授が務めました.本大会はわが国で初めて開催された言語聴覚障害学分野の国際学会となります.当日は,17国から約500人の参加者があり,最先端の研究を行っている各国の研究者による講演,セミナー,シンポジウムが開催されると同時に,口演81演題,ポスター174演題が発表されました.わが国からは,若手研究者を中心として多数の研究成果が発表され,参加者の関心を集めていました.
わが国の言語聴覚障害研究は,国際的に見てかなり高水準にあると思いますが,その研究成果が海外に発信される量が多いとは言えません.グローバル化が進む現代にあって,研究の発展とその成果の社会への還元は国際規模で考えるべきであり,本分野でも研究の国際協力と国際交流が非常に重要となってきています.本誌は,現在のところ日本語版のみ発行していますが,近い将来,英語版を発行するようになることを望みます.また本誌は英文原稿の投稿を受け付けていますので,奮ってご投稿ください.
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