連載 地域生活を支える保健医療リハビリテーション—英国との比較から・第3回
スコットランドにおける高次脳機能障害者の自立生活支援
中澤 史江
1
1東京都保健医療公社豊島病院 リハビリテーション科
pp.40-42
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201162
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はじめに
2018年8月,筆者は目白大学作業療法学科教員が主催する英国における地域リハビリテーション視察研修に参加する機会を得た。スコットランドにあるGraham Anderson House(以下,グラハムアンダーソンハウス)を視察した経験をもとにスコットランドにおける高次脳機能障害者の自立生活支援について述べる。視察の経緯と他の主な視察先に関しては連載第1回を参照されたい。
グラハムアンダーソンハウスは脳損傷後に生じた高次脳機能障害,中でも社会的行動障害のある方のリハビリテーション(以下,リハ)を専門とする病院である。亜急性期病院25床と同敷地内にある在宅生活移行へ向けた生活訓練を行うアパートメント(East Fields:以下,イーストフィールズ)により構成されている。スコットランド最大の都市であるグラスゴーの中心部よりわずか3km程の緑に囲まれた住宅街スプリングバーン地区にある。
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