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はじめに
現在,わが国では急速な高齢化が進んでいる。内閣府が発表した平成29年度版高齢社会白書(全体版)では65歳以上の高齢者人口は,3,459万人となり,総人口に占める割合(高齢化率)も27.3%と上昇を続け今後も高齢化が進んでいく見通しとなっている。鳥取県においても高齢化は喫緊の課題であり,高齢者の認知症予防も含めて丸ごとわが町のイメージで「住み慣れた地域において,高齢者,障がい児・者及び児童等の誰もが集い,多様なサービスや活動で支え合う拠点」1)となる「鳥取ふれあい共生ホーム」(図1)の全県展開を全国に先駆けて試みている。
さて,鳥取ふれあい共生ホーム照陽の家(以下,照陽の家)は平成23年4月に「小規模多機能型居宅介護と届出保育所を併せ持つ施設」として開設した(図2)。住み慣れた地域全体で支えていく仕組みの構築を地域・事業所・行政が連携しながら小規模ならではのご利用者様一人ひとりに合わせた支援を行っている。その後,地域ニーズ・ご利用者様のニーズに合わせ平成25年度より小規模多機能型居宅介護施設と訪問看護ステーションを合わせた複合型サービスへと移行。平成27年4月の介護保険制度改正により名称を看護小規模多機能型居宅介護と改称した。一方,届出保育所は平成28年度より「米子市認可地域型小規模保育所」へと移行していく。
「宅幼老所」とも言われる共生ホームという場に集う認知症高齢者,園児たちがそれぞれ自然な形で互いを気遣い支え合うことによる認知症ケアの予防と,高齢者といることが園児たちにもたらす「支え愛の心を育む教育」をコンセプトとして運営した活動に対して平成28年度の厚生労働省主催「健康寿命をのばそう!アワード」にて企業部門の優良賞を受賞した。その取り組みを事例として報告する。
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