特集 新総合事業を探る
被災地におけるリハ活動と新総合事業
阿比留 友樹
1
,
高梨 信之
2
1ロッツ株式会社 訪問リハビリステーションさんぽ
2岩手医科大学付属病院 リハビリテーション部
pp.492-498
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200899
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はじめに
岩手県陸前高田市は,2011年3月11日に発生した東日本大地震による津波の影響で,甚大な被害を受けた地域である。陸前高田市の象徴であった白砂青松の名勝・高田松原の約7万本もの松は,そのほとんどが津波によって流され,一本しか残らなかった。その松は現在,「奇跡の一本松」として陸前高田市の復興のシンボルとなっている。岩手県沿岸南部に位置する陸前高田市は,隣接する大船渡市,住田町とともに「気仙地域」と呼ばれ,岩手県内では比較的温暖な地域に属している。被災前の陸前高田市の人口は,2万4,246人(平成23年3月11日現在の住民基本台帳人口)で,現在は,1万9,599人,高齢化率は37.6%(平成29年9月末現在の住民基本台帳人口)であり,わが国の人口減少・超高齢社会における課題をいち早く突き付けられている地域であると言える。陸前高田市を中心に気仙地域を主な拠点としているロッツ株式会社(以下,弊社)は,東日本大震災復興特別区域法(以下,復興特区)を活用した訪問リハ事業を主体として,幅広いリハ活動に取り組んできた。そこで本稿では,その活動の一部と新介護予防事業への参画,行政との連携,それらの実践を踏まえて今後の展望について報告する。
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