特集 新総合事業を探る
取り組みが一巡した「総合事業」で見えてきたこと
岩名 礼介
1
1三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 社会政策部
pp.476-482
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200896
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はじめに
平成27年度から総合事業に移行した自治体では3年が経過し,一定の結果が見えはじめている段階であろう。また,平成29年度スタートの自治体も1年が経過し,取り組みは一巡したと思われる。特に協議体と生活支援コーディネーターの設置・配置期限が設けられたことで,各自治体とも,とりあえずの取り組みに着手している状態になっているはずである。
しかし,「とりあえずやることはやったけど,期待した成果が上がっていない」,生活支援コーディネーターは配置したものの,「今やっていることが正しいのかわからない」という相談も少なくない。介護予防・日常生活支援総合事業も,生活支援体制整備事業も,2〜3年取り組んだからといって終わる仕事ではなく,継続的に試行錯誤が続くものであり,ある意味終わりのない取り組みでもある。
本稿では,第一に,地域包括ケアシステムの中でなぜ総合事業なのかという,基本的な部分を再確認しつつ,ここ数年,自治体支援にかかわってきた立場から見えてきた共通点を整理しておきたい。
なおこの特集では「総合事業」をテーマとしているが,その範囲については「生活支援体制整備事業」「介護予防・日常生活支援総合事業」のすべてであり,協議体や生活支援コーディネーターの取り組みも含むものとお考えいただきたい。
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