特集 児童虐待—危うい子育て環境そのサポート
どこにでも子どもの虐待の芽はある—母子保健事業の中から見えてきたもの
上馬 敏栄
1
1金沢市泉野保健所
pp.763-766
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900760
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はじめに
金沢市は2保健所を有しており,金沢市泉野保健所は南側の地域(人口26万人)を管轄するU2型の保健所で,保健婦は26人います。従来の泉野保健所における母子保健活動は,乳幼児検診や保健婦による家庭訪問を中心に疾病の予防や障害の早期発見,援助に取り組み育児指導や相談事業を行ってきましたが,母子をめぐる社会環境が大きく変わるにつれて,子どもが健やかに生まれ,育つための環境づくり,母と乳幼児のこころの健康の支援を目的に育児教室,仲間作りのマタニティコース,あそびの教室を開催し,自主グループの育成をサポートしています。
このたび,「どこにでも子どもの虐待の芽はある」というテーマについて,現在も児童相談所と連携し援助を続けている事例と過去の乳児死亡ケースの事例を通して,保健婦の関わりの姿勢や母子保健活動の中で,虐待の訴え,虐待のきざし,虐待の疑いを,適切に受け止めていたか?見逃していなかったか?を考えてみました。
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