連載 在宅生活を豊かにするシーティング技術・第9回【最終回】
褥瘡予防から就労サポートのシーティング
木之瀬 隆
1,2
1シーティング研究所
2一般財団法人日本車椅子シーティング財団
pp.927-934
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003201017
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はじめに
今回の連載は医療機関のシーティングからはじまり高齢者施設や在宅支援のシーティングまで専門領域のセラピストに執筆していただいた。読者の方々には全体を見ていただくと,ご自分の領域でのシーティングの取り組みの参考になったかと思う。特に摂食・咀嚼・嚥下のシーティングについては多くの執筆者が取り上げ,フレイル予防から誤嚥性肺炎の予防を含むシーティングの展開の実例が示されていた。また,地域包括ケアシステムのシーティングと多職種連携についても事例を通しながら紹介があった。しかしながら,国内では「寝かせきり」に起因する褥瘡発生から拘縮・変形,誤嚥性肺炎,ひいては知的には問題はなく重度障害により座位がとれないために,働く機会に恵まれない方もまだ多い。
シーティング技術は,障害のある人や高齢者が椅子・車椅子,または座位保持装置を適切に活用し,活動と参加の支援,二次障害の予防,介護者の負担を軽減することである1)。前回までの連載では触れられていない褥瘡予防のシーティング,高位頸髄損傷者の事例を通して褥瘡対応から就労サポートに関連するシーティングについて解説する。
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