Close-up 高齢者のシーティング
施設・在宅での高齢者のシーティングとキーパーソンへの指導
田中 義行
1
Yoshiyuki TANAKA
1
1株式会社大起エンゼルヘルプ
キーワード:
目的の明確化
,
座り直し
,
原因疾患
,
再現性
,
クッションの重ね使用
Keyword:
目的の明確化
,
座り直し
,
原因疾患
,
再現性
,
クッションの重ね使用
pp.213-217
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590020213
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はじめに
筆者が理学療法士として高齢者施設や在宅支援にかかわるなかで,高い頻度で依頼される事項にシーティングがある.経験したさまざまな事例を振り返ると,当初は適切な対応がなされていても,時間が経つにつれ個々の高齢者に適合していない状態になることが非常に多かった.
現状では,多くの施設や在宅の現場において,シーティングに詳しい専門家が少なく,また各種シーティングパーツが揃えられない,という問題がある.そのため適切なシーティングが行われにくく,車椅子からのずり落ち,拘縮,褥瘡,誤嚥などの問題が発生している.
筆者の経験から,こうした問題の原因に対して以下の4つの視点からアプローチできると考えている.
・シーティングの目的に問題がある
・移乗後に座り直しが適切に行われていない
・シーティングが高齢者の個々の身体の状態に適していない
・使用しているシーティングパーツなどが多すぎる
各現場での対応時にはこれらの視点からどこに問題があるかを評価し,対応や助言を行っている.
本稿では,前述した4つの視点に基づいて,その実践を紹介するとともに,キーパーソンとなる介助者や家族への指導のポイントにも触れたい.
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