特集 失語症者のための会話支援—失語症者向け意思疎通支援事業
失語症者向け意思疎通支援事業への日本言語聴覚士協会の取り組み
立石 雅子
1,2
1一般社団法人日本言語聴覚士協会
2目白大学保健医療学部言語聴覚学科
pp.119-122
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200796
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STの現状
STの職能団体である日本言語聴覚士協会(以下,協会)は2000年に設立された。当初,協会にとっては,医療領域におけるSTの適正な配置を求めつつ,需要に応じられる供給体制を確立することが喫緊の課題であった。その結果,言語聴覚士法が成立した20年前と比較すると,医療領域におけるサービスの提供体制は格段に充足されてきている。しかしながら,医療費の抑制および介護保険への移行,あるいは地域包括ケアシステムの構築という行政の姿勢の変化に伴い,医療領域のみならず,福祉,保健・予防あるいは介護分野における業務がSTに期待される状況となってきている。
STの国家試験合格者累計は,2017年に2万9,225人となった。最近の合格者数は年に1,700〜1,900人程度で,2018年3月には3万人を超える。2017年3月末(会員数1万5,948人)時点の協会会員動向1)によれば,STの男女比は男性23.5%,女性76.5%,年齢構成は30歳代44%,20歳代28%で,20〜30代が全体の72%を占めている。
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