特集 失語症者のための会話支援—失語症者向け意思疎通支援事業
—各地のモデル事業③—世田谷区における失語症者向け意思疎通支援者養成の取り組み
安保 直子
1
1世田谷区立総合福祉センター
pp.115-118
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200795
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はじめに
東京都世田谷区では,平成17年度より区の独自事業として,世田谷区立総合福祉センターで失語症会話パートナー(以下,会話パートナー)の養成講座を行ってきた。これまでに修了した会話パートナーは,平成29年度(13期生)を含め127名となり,区内にある10カ所以上の自主グループや訓練施設などで活躍している。世田谷区の場合,我孫子市や四日市市のような派遣制度はなく,修了後は無償のボランティア活動となるが,養成の成果として,失語症当事者と会話パートナーで運営する自主グループが増えるなど,失語症のある人の参加の場が拡大しており,地域で会話パートナーを養成する意義は大きいと考えられ,毎年養成が継続されてきた。
こうした経緯の中で,世田谷区ではこの会話パートナー養成の経験を「失語症者向け意思疎通支援者養成モデル事業」(以下,モデル事業)の実施に生かせると考え,モデル事業の受託を申請し,平成28年度,29年度と実施することとなった。以下,世田谷区で実施したモデル事業の取り組みについて報告する。
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