レポート「現場最前線」
北海道における失語症者向け意思疎通支援者養成—2年計画の養成研修の実践
若松 千裕
1,2
,
籔 貴代美
1,3
,
北風 祐子
1,4
,
中西 俊二
1,5
,
大澤 朋史
1,6
1一般社団法人北海道言語聴覚士会意思疎通支援部
2北海道医療大学リハビリテーション科学部言語聴覚療法学科
3宮の沢明日佳病院リハビリテーション部
4専門学校北海道リハビリテーション大学校言語聴覚学科
5道南ロイヤル病院リハビリテーション科
6網走中央病院診療技術部門リハビリテーション科
pp.277-280
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001200492
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Ⅰ.はじめに
現在,各都道府県の言語聴覚士会が失語症者向け意思疎通支援者の養成研修を実施している.養成研修は,失語症者の意思疎通を支援するために最低限必要な知識および技術の習得を目標とする「必修科目」と,多様なニーズや場面に対応できるコミュニケーション技術の習得を目標とする「選択科目」からなり1),必修科目を修了すると,支援者として自治体に登録することができる.2022年3月時点で,43士会が必修科目を実施しているが,選択科目のすべてを実施したことがあるのは6士会のみであった2).北海道言語聴覚士会(以下,道士会)では,養成事業の業務量を考慮して,必修科目と選択科目を2年で実施する計画を考案し,自治体の了承を得て実施した.その経過について報告する.
本研究は2019年4月から2023年3月までに,北海道における失語症者向け意思疎通支援者の養成に際して収集された言語聴覚士(speech-language-hearing therapists:以下,ST)と失語症者,受講生の情報を後方視的に分析した研究であり,道士会のホームページ(以下,HP)で情報公開文書を掲示し,対象者に拒否できる機会を提供する方法でインフォームドコンセントの代用とした.
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