特集 コミュニティと関係性の再構築
協働型まちづくりとコミュニティ事業のあり方
山田 晴義
1
1宮城大学事業構想学部
pp.19-22
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100217
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コミュニティによる協働型まちづくり
静岡県の中山間地域で,婦人たちが中心となってつくり上げた熊地区1)の「特定非営利活動法人夢未来くんま」の活動は,地域づくりの関係者にはよく知られている.山間の地域で食堂,ものづくりと特産品販売,体験活動の提供などで年間8,000万円を越える事業を立ち上げ,婦人たちの雇用の場を創出してきたことは大いに評価されてよいだろう.しかし,それだけであれば,近年クローズアップされるようになった産直市場や農家レストランなど「くんま」と同じような実績を上げているグループは少なくない.ここで肝心なことは,その事業で地域婦人の副業の場が確保されただけでなく,その利益から,地域の高齢者のケアや生きがいづくり,住民の生涯学習,環境保全の活動など,地域の価値を高め,維持存続させていくための活動の経費に充てている事実は,コミュニティ組織の新たな可能性を提示しているものと言えよう.
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